クレジットカードの現金化で一括即時払いになる?

クレジットカード現金化で一括即時払いさせられる?!

クレジットカードの現金化をおこなった場合、利用規約により、クレジットカードの発行会社に対して、支払期限よりも早くお金を支払わなければならなくなります。また、分割払いやリボ払いが一括払いとされてしまう可能性があります。これは、いわゆる「期限の利益」が喪失することを意味します。

 

「期限の利益」とは

期限の利益とは、期限の到来までは債務の履行をしなくてもよい、という債務者の利益のことです(民法第136条)。
現金での支払いの場合、一般的な買物やサービスでは、前払いでの支払いや、商品の引渡しやサービスの提供と同時の支払いとなります。
他方、クレジットカードを利用した場合、引き落としの日まで支払いを後払いにすることができます。また、分割払いやリボ払いを選択した場合、支払いを複数回に分けたうえで後払いにすることができます。
この後払い、つまり支払期限を後に回すことができることは、民法上、債務者=お金を支払うクレジットカードの利用者の利益とされています。この後払いの利益を喪失することが「期限の利益の喪失」です。

 

クレジットカードの現金化は期限の利益の喪失事由

期限の利益の喪失は、民法第137条に規定されています。ただ、民法上の期限の利益の喪失は、喪失事由があまりにも少ないため、一般的なクレジットカードの利用規約では、さらに多くの期限の利益の喪失事由を規定しています。この期限の利益の喪失事由として、クレジットカードの現金化が規定されています。
国際メジャーブランドのクレジットカードの発行会社のうち、三井住友VISAカード・三井住友マスターカード、アメリカン・エキスプレス、JCB、ダイナースクラブカード・シティカードの利用規約でも、期限の利益の喪失事由として、クレジットカードの現金化を規定しています。
具体的には、次のとおりです。

 

三井住友VISAカード&三井住友マスターカード会員規約(個人会員用)
第22条(期限の利益の喪失)
1.(省略)
2.本会員は、当社に支払うべき債務の履行を遅滞した場合及び第23条1項の規定(但し、第23条第1項第7号または第8号の事由に基づく場合を除きます)により会員資格を取消された場合、リボルビング払い、分割払い、2回払い及びボーナス一括払いによるカードショッピング代金を除く債務について当然に期限の利益を失い、直ちに当該債務の全額を支払うものとします。
3.本会員は、次のいずれかの事由に該当した場合、当社の請求により、本規約に基づく一切の債務について期限の利益を失い、直ちに債務の全額を支払うものとします。
(1)当社が所有権留保した商品の質入れ・譲渡・賃貸その他の処分を行ったとき
(2)本規約上の義務に違反し、その違反が本規約の重大な違反となるとき
(3)(省略)
4.~6.(省略)

 

第23条(会員資格の取消)
1.当社は、会員が次のいずれかに該当した場合、その他当社において会員として不適格と認めた場合は、通知・催告等をせずに会員資格を取消すことができるものとします。
(1)(省略)
(2)本規約のいずれかに違反した場合
(3)(省略)
(4)換金を目的とした商品購入の疑い等、会員のカードの利用状況が不適当若しくは不審があると当社が判断した場合
(5)~(10)(省略)
2.~5.(省略)

 

(以下省略)

 

アメリカン・エキスプレスのカード会員規約
第6条(会員資格の一時停止および取消)
1.当社は、次の各号に 1 つでも該当した場合には、あらかじめ通知することなく、いつでも会員のカード利用の一時停止を含む利用制限または会員資格の取り消しをすることができるものとします。この場合、家族カード会員は、基本カード会員に対する当社の措置に従うものとします。当社が本条項に基づく措置をとったことにより、会員にいかなる損害、費用が発生しても、当社は一切責任を負わないものとします。
(1)(省略)
(2)会員が本規約の条項その他当社との合意事項に違反した場合。
(3)~(6)(省略)
(7)会員が当社から複数のカードを貸与されている場合で、他のカードについて本項のいずれかの事由に該当した場合。
(8)~(9)(省略)
(途中省略)

 

第24条(期限の利益の喪失)
会員は、次のいずれかの事由に該当した場合、この規約に定める支払期限にかかわらず、(3)(9)(10)の場合は当社からの請求により、その他の場合は当社からの通知・催告なしに当然に期限の利益を失い、ただちに残債務の全額を支払うものとします。
(1)~(2)(省略)
(3)本規約の義務に違反し、その違反が本規約の重大な違反となる場合。
(4)商品等の質入れ、譲渡、賃貸その他当社の所有権を侵害する行為をした場合。
(5)~(9)(省略)
(10)第 6 条第 1 項に基づく会員資格の取消しがあった場合、その他、会員の信用状態が著しく悪化した場合。
(以下省略)

 

JCB会員規約(個人用)
第38条(期限の利益の喪失)
1.本会員は、次のいずれかに該当する場合、(1)においては相当期間を定めた当社からの催告後に是正されない場合、(2)、(3)または(4)においては何らの通知、催告を受けることなく当然に、(5)、(6)または(7)においては当社の請求により、当社に対する一切の債務について期限の利益を喪失し、残債務全額を直ちに支払うものとします。なお、(1)については利息制限法第1条第1項に規定する利率を超えない範囲においてのみ有効とします。
(1)~(5)(省略)
(6)本規約に違反し、その違反が本規約の重大な違反となるとき。
(7)第39条第4項(1)、(2)、(3)、(4)、(6)または(7)のいずれかの事由に基づき会員資格を喪失したとき。
2.(省略)

 

第39条 (退会および会員資格の喪失等)
1.~3.(省略)
4.会員は、次のいずれかに該当する場合、(1)、(5)においては当然に、(2)においては相当期間を定めた当社からの通知、催告後に是正されない場合、(3)、(4)、(6)、(7)においては当社が会員資格の喪失の通知をしたときに、会員資格を喪失します。また、本会員が会員資格を喪失した場合、当然に家族会員も会員資格を喪失します。なお、本会員は、本規約に基づき当社に対して負担する債務については、会員資格の喪失後も、本規約の定めに従い支払義務を負うものとします。また、本会員は、会員が会員資格喪失後にカードを利用した場合にも支払義務を負うものとします。
(1)~(2)(省略)
(3)会員が本規約に違反し、当該違反が重大な違反にあたるとき。
(4)会員の信用状態に重大な変化が生じたとき、または換金目的によるショッピング利用等会員によるカードの利用状況が適当でないと当社が判断したとき。
(5)~(7)(省略)
5.~8.(省略)
(以下省略)

 

ダイナースクラブカード/シティカード会員規約
第14条(カードの利用・貸与の停止、法的措置、会員資格の取消等)
1.~2.(省略)
3.会員が次の各号のいずれかに該当した、もしくは該当するおそれがある場合、その他当社が会員として不適当と認めた場合には、当社は、何らの通知、催告を要せずして、会員資格を取り消すことができるものとします。
(6)現金化を目的として商品・サービスの購入等にカード利用可能枠を利用した場合。
(途中省略)

 

第16条(期限の利益の喪失)
1.(省略)
2.会員は、次の各号のいずれかに該当した場合は、当社の請求により本規約に基づく一切の債務について期限の利益を失い、直ちにその債務を履行するものとします。
(1)商品の質入れ、譲渡、貸借その他当社所定の所有権を侵害する行為をした場合。
(2)本規約上の義務に違反し、その違反が本規約の重大な違反となる場合。
(3)(省略)
(以下省略)

 

期限の利益の喪失=即時一括払い

期限の利益を喪失した場合、クレジットカードの利用者は、発行会社に対して、即時・一括でお金を支払わなければならなくなります。上記の規約においても、「直ちに(ただちに)」「全額(一切の債務)」という表現で規定されています。
このため、ある意味で融資を受ける感覚でクレジットカードの現金化を利用したとしても、発行会社に現金化の事実が発覚した場合は、即時一括の返済(支払い)を迫られることになります。

 

 

 

 

 

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