クレジットカード現金化は貸金業法違反?

貸金業者ではないのか?―貸金業法の問題

クレジットカードの現金化は、実質的にクレジットカードの発行会社を間に挟んで、クレジットカードの現金化の業者から利用者に対してお金を貸付けていることになります。この点から、クレジットカードの現金化の業者が貸金業法に違反している可能性も考えられます。

 

貸金業者とは

貸金業者とは、貸金業法では、次のように定義されています。

 

貸金業法第2条(定義)
1 この法律において「貸金業」とは、金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介(手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法によってする金銭の交付又は当該方法によってする金銭の授受の媒介を含む。以下これらを総称して単に「貸付け」という。)で業として行うものをいう。(ただし書き以下省略)

 

貸金業法は、貸金業者を規制し、貸金業者の利用者を保護するための法律です。
クレジットカードの現金化の業者が貸金業者に該当する場合は、業者は、貸金業法の規制を受けることになります。この場合、クレジットカードの現金化の業者は、貸金業者としての登録を始めとして、様々な貸金業法の規定を守らなければなりません。
当然ながら、これらの規定を守らない場合は、刑事罰や行政処分を含めた罰則を受けることになります。

 

クレジットカードの現金化の業者は貸金業者か

そこで、クレジットカードの現金化の業者が、貸金業法でいうところの「貸金業者」に該当するのかどうか、という点が問題となります。
この点について、少なくとも現在(平成25年1月15日)、金融庁は、明確に「貸金業者」に該当する、とは考えていないようです。管理人は金融庁や消費者庁の関連する資料等をチェックしてみましたが、そのような記載はありませんでした。
もっとも、金融庁としては、クレジットカードの現金化というビジネスモデルそのものについて問題視していることは間違いありません。

 

今後は解釈の変更や法改正の可能性も

そこで、今後の政府の動向が問題となるわけですが、少なくとも、消費者庁や金融庁が、クレジットカードの現金化を問題視し、国民に対する啓発活動をおこなっていることは事実です。
このため、クレジットカードの現金化によるトラブルが今後も増え続ける場合は、何らかの対応をおこなう可能性が高いといえます。
その対応としては、①既存の法令で対応する、②既存の法令の解釈を変更して対応する、③法改正により対応する―の3点が考えられます。

 

①は、出資法を中心とした既存の法令により取締りを強化する対応です。
現状のところ、貸金業法では「貸金業者」とはいえないかもしれませんが、出資法の「金銭の貸付けを行う者」(出資法第5条)とはいえます。これは、裁判所で有罪判決が出たことから、司法も同様の解釈をしています。
このため、現状でも、クレジットカードの現金化は違法行為として取締りの対象となりえます。

 

②は、本項で解説した貸金業法の解釈を変更して、クレジットカードの現金化の業者を「貸金業者」として明確に定義づけて規制する、という対応です。
貸金業法の「貸金業者」の定義と出資法の「金銭の貸付けを行う者」とは、同一のものではありません。しかしながら、それぞれの法律の目的や条文の文言の意味は、それほど大きく異なるものではありません。
このため、今後、金融庁が貸金業法の解釈を変更して、クレジットカードの現金化の業者を「貸金業法」と解釈し、規制対象とする可能性も考えられます。
ただし、本来であれば、行政庁が解釈により法令の適用範囲を変更することは、行き過ぎた裁量行政として、あまり好ましいこととはいえません。

 

③は、貸金業法などの既存の法律の法改正や、新たな法律を制定することにより、クレジットカードの現金化の業者を規制する、という対応です。
上記②のとおり、行政庁が解釈により法令の適用範囲を変更することは、問題であるといえます。本来であれば、法改正や法律の制定により、違法となるクレジットカードの現金化を明確に定義したうえで、規制するべきです。
クレジットカードの現金化によるトラブルが今後も増加するようでれば、政府または国会としては、このようなトラブルを防止するために、関係する法令を改正したり、新しい法律を制定したりすることにより、規制を強化する可能性もあります。

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