クレジットカード現金化の古物営業法の問題とは?

公安委員会が許可?―古物営業法の問題

クレジットカードの現金化をおこなっている業者のホームページでは、「公安委員会許可」とか「公安委員会公認」のようなキャッチコピーを使っていることがあります。これは、業者が利用者を安心させようとして記載しているのでしょうが、クレジットカードの現金化と公安委員会はまったく関係がありません。

 

公安委員会は許可していない

結論をいうと、公安委員会は、「クレジットカードのショッピング枠を現金化する事業」については、許可を出していません。

 

現行法では、「クレジットカードのショッピング枠を現金化」することに対して許可を与える制度はありません。許可以外の認可、登録、届出等の手続きもありません。このため、公安委員会をはじめ、いかなる官公署であっても、「クレジットカードのショッピング枠を現金化する事業」について、なんらかの許認可等を与えることができない制度となっています。

 

あくまで古物営業法の「古物営業許可」

では、なぜ「公安委員会」という特定の官公署が業者のホームページで記載されているのでしょうか?これは、古物営業法にもとづく「古物商」という制度が関係してきます。

 

 いわゆる「買取屋」方式のクレジットカードの現金化には、業者が利用者から物品を買取るものがあります。この方式の場合、業者が利用者から物品を買取る行為は、古物営業に該当する可能性があります(古物営業法第2条第2項第1号)。

 

 古物営業法では、古物営業を営もうとする者は、都道府県の公安委員会の許可を受けなければなりません(古物営業法第3条第1項)。このため、一部の「買取屋」方式の業者は、公安委員会から、古物営業の許可を受けて営業しています。

 

 つまり、業者が主張する「公安委員会の許可」というのは、あくまで、「古物営業」の許可のことを意味するのであって、「クレジットカードのショッピング枠を現金化する事業」の許可を意味するのではありません。このため、ホームページに「公安委員会許可」という記載がある業者は、「古物営業」の点については、一定の法令を遵守しているといえますが、他の点については、必ずしも法令を遵守しているとはいえません。

 

なお、公安委員会では、紛らわしい表示をしている業者については、表示を訂正、削除するよう指導しているようです。ただ、未だに「公安委員会許可」と表示している業者のホームページもあります。また、そのホームページを紹介するサイトでも、そのように表示されていることがあります。

 

また、消費者庁の資料では、「公安委員会が古物商としての許可を与えているに過ぎず、現金化自体について法律上問題がないと保証しているわけではありません。」と明記されています。

 

景品表示法、消費者契約法、特定商取引法に違反

このように、「買取屋」方式の業者の場合は、「公安委員会許可」という記載は、若干の関連性はあるものの、「クレジットカードのショッピング枠を現金化する事業」に直接関連するわけではありません。ましてや、古物を販売しない「キャッシュバック」方式の業者の場合は、古物営業の許可が不要ですので、「公安委員会許可」という記載は、一切関係がないといえます。

 

 このため、「公安委員会許可」という記載は、公安委員会とはほとんど関係なく、ましてや、その業者のサービス内容が優良であることを保証するものではありません。だからこそ、わざわざ公安委員会も注意喚起をしているわけです。

 

 なお、関連性が薄い、または一切ないのにもかかわらず、「公安委員会許可」という記載をして、あたかもサービス内容が公的な認定を受けた優れたものであるかのように表現することは、景品表示法の不当表示(優良誤認、第4条第1項第1号)・有利誤認(同第2号))、特定商取引法の誇大広告(第12条)に該当する可能性があります。

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