クレジットカードの現金化とは
クレジットカードの現金化とは、クレジットカードによる決済の仕組みを利用して、クレジットカードのショッピング枠を現金化する方法、手口、ビジネスモデル全般のことをいいます。
クレジットカードの現金化の仕組み
クレジットカードの現金化には、大きく分けて2種類の方法があります。
つまり、
①「買取屋」方式
②「キャッシュバック」方式
の2種類です(独立行政法人国民生活センター『「クレジットカード現金化」をめぐるトラブルに注意!-利用者自身も思わぬ大きなトラブルに巻き込まれるおそれが-』(H22.4.7)より)。
「買取屋」方式とは
「買取屋」方式とは、クレジットカードのショッピング枠を使って利用者が購入した商品・金券等を、業者または第三者(チケットショップ等)が買取ることで、現金化する方式です。
「買取屋」方式は、さらに3種類に分類されます。
つまり、
a方法を示唆し、商品等を買い取る、
b業者が商品等の販売と買い取りの両方を行う、
c業者が方法のみを示唆する
の各方法です。
「方法を示唆し、商品等を買い取る」方法
これは、利用者がクレジットカードのショッピング枠を利用して第三者から換金性の高い商品を購入し、その商品を業者が買取る方法です。通常は、商品は購入価格よりも低い価格で買い取られます。その後、利用者には、クレジットカード会社からの請求がきます。
例えば、利用者がクレジットカードを使って、家電量販店から50万円のパソコンを購入し、そのパソコンを業者が35万円で買い取ります。その後、クレジットカード会社からは、支払い方法によって、請求がきます。
この場合、差額の15万円が、利用者にとっては手数料となり、業者にとっては収入となります。
「業者が商品等の販売と買い取りの両方を行う」方法
これは、利用者がクレジットカードのショッピング枠を利用して業者から直接商品を購入し、その商品を業者が買取る方法です。通常は、商品は購入価格よりも低い価格で買い取られます。その後、利用者には、クレジットカード会社からの請求がきます。
例えば、利用者がクレジットカードを使って、業者からで50万円の指輪を購入し、その指輪を業者が35万円で買い取ります。その後、クレジットカード会社からは、支払い方法に応じて、50万円分の支払い請求がきます。
この場合、差額の15万円が、利用者にとっては手数料となり、業者にとっては売上となります。
「業者が方法のみを示唆する」方法
これは、利用者がクレジットカードのショッピング枠を利用して第三者から金券等を購入し、その商品をチケットショップに転売する方法です。金券等は、購入価格よりも低い価格で買い取られます。その後、利用者には、クレジットカード会社からの請求がきます。
例えば、利用者がクレジットカードを使って、50万円のギフト券を購入し、そのギフト券をチケットショップが45万円で買い取ります。その後、クレジットカード会社からは、支払い方法に応じて、50万円分の支払い請求がきます
このような方法の場合、通常は、すでに業者になんらかの債務を負っていることが多いようです。このため、新規の資金調達のための現金化というよりは、業者に対する返済の一環としての現金化という性格があります。
「キャッシュバック」方式とは
「キャッシュバック」方式とは、利用者と業者とのクレジットカードを使った売買契約の代金について、キャッシュバックを仮装して返金することで現金化する方法です。通常、キャッシュバックの金額は、売買契約の代金よりも低い金額になります。その後、利用者には、クレジットカード会社からの請求がきます。
例えば、利用者がクレジットカードを使って、業者からで50万円のCD-R(キャッシュバック付き)を購入します。業者からは、35万円の現金が返金されます。その後、クレジットカード会社からは、支払い方法に応じて、50万円分の支払い請求がきます。
トラブル急増中?
前掲の国民生活センターの報道発表資料によると、同センターが2009 年度に受け付けた相談件数は、2010 年3 月26 日現在で207件とのことです。これは、前年度の同時期と比較して、実に約1.7 倍に増加しています。
今後は、貸金業法の規制強化(いわゆる「総量規制」)により、貸金業者からお金を借りることができない人たちが増えてきます。このような人たちによって、クレジットカードの現金化の利用は、さらに増える可能性があります。それと同時に、クレジットカードの現金化によるトラブルは、さらに増えるものと思われます。